心理技術研究会について

心理技術研究会は、2012年1月、高橋規子先生による心理技術研究所の研修システムを引き継ぐ形で発足した研究会です。高橋先生が亡くなられた後、研修に携わっていた世話人が中心となり、それまでの研修組織を研究会という形に発展させ、定期研修や特別ワークショップの開催・運営を行ってきました。

システムズアプローチ・家族療法を中心としながらも、広く臨床実践に役立つことを目的として、NLP、臨床動作法、ベイトソンセミナーなどの特別ワークショップも実施してきました。新型コロナウイルス感染症の流行以降、定期研修は休止しておりますが、現在はオンラインによる特別ワークショップやグループスーパーヴィジョンを中心に活動しています。

臨床実践における心理技術は、その「かたち」や良し悪しが見えにくいものです。例えば、公認心理師の資格を取得したからといって、必ずしも質の高い臨床実践ができるとは限りません。しかし、心理支援を受けるクライエントや家族の立場から考えれば、より質の高い支援が望まれるのは当然のことでしょう。

臨床実践の現場で悩み苦しむクライエントや家族に対して、試行錯誤しながらも、その問題の解決や支援に寄与していくためには、どのような技術が必要なのでしょうか。そして、その技術をどのように身につけ、向上させていけばよいのでしょうか。こうした問いを大切にしながら、われわれ世話人はシステムズアプローチや家族療法などについて研鑽を重ねてきました。その中で私たちが大切にしてきたのは、心理技術を、コミュニケーションや関係性を扱う実践的な技術として捉え、その習得と向上に努めることです。その過程は決して容易なものではありませんが、よりよい臨床実践につながるものと考えています。

こうした実践的な技術の向上や習得は、決して簡単なものではないかもしれません。一方で、コミュニケーションは私たちが普段あまり意識することなく行っているものだからこそ、誰にでも成長する余地があります。また、家族療法・家族支援に関わる実践が、さまざまな専門職によって担われているように、本研究会も職種を問わず、医師、看護師、ソーシャルワーカー、学校教員、心理職など、臨床実践や家族支援に関わるさまざまな方々を対象としています。それぞれの専門性や経験を持ち寄りながら、臨床実践についてともに考え、学ぶことができればと考えています。

臨床実践の専門家、あるいはこれから専門家を目指す方々が、試行錯誤を重ねながら、クライエントや家族の支援に寄与できるよう、参加者のみなさまとともに学び、研鑽を重ねていきたいと思います。

世話人代表:中野真也        
世話人:尾形広行、辻本聡、川越友美子

世話人紹介

世話人代表 中野 真也

中野真也証明写真

臨床心理士・公認心理師。現在は大学教員として国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部心理学科に所属。大学院時代から家族療法・システムズアプローチを学び、故高橋規子先生に師事し研鑽を積んだ。心療内科クリニックやスクールカウンセラーに勤務しながら、故人の研修組織を引き継ぎ、2011年に心理技術研究会を設立。世話人代表として,様々な臨床現場の臨床心理士・公認心理師やソーシャルワーカー、看護師など他職種の参加者を対象とした家族療法・システムズアプローチの研修を行っている。

【略歴】

臨床心理士・公認心理師。博士(心理学)。日本家族療法学会認定スーパーヴァイザー(第9号)。日本家族療法学会理事(2021年~。2021~2025:教育研修委員長、2025~:認定制度委員長)
精神科病院、心療内科クリニックやスクールカウンセラーなどの勤務を経て、現在は大学教員として国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部心理学科に所属。

【主な研究業績】

☆中野真也・吉川悟著(2017)「システムズアプローチ入門――人間関係を扱うアプローチのコミュニケーションの読み解き方」、ナカニシヤ出版
☆中野真也・吉川悟編著(2022)「家族・関係者支援の実践: システムズアプローチによるさまざまな現場の実践ポイント」、ナカニシヤ出版
〇中野真也(2013).いじめ被害を訴える事例への対応における一考察――コミュニケーションの語用論の立場から.家族心理学研究,27(2),pp.152-164.
〇中野真也(2014).精神の生態学とつながる.家族療法研究,31(2),pp.14-20.
〇中野真也(2016).トレーニングを兼ねたスーパーヴィジョン実践――「システミックな視点から見たニーズ」をポイントとして.家族療法研究,33(2), pp.53-62.
〇中野真也(2019).職場組織システムを考慮したスーパーヴィジョン.家族療法研究,36(2),185-190.
〇中野真也(2019).病因としてのダブルバインド仮説.精神科治療学,34(10),pp.1137-1141.
〇中野真也(2026).家族療法 温故知新-ダブルバインド理論とマスターセラピストの実践から-.家族療法研究,43(1),pp.3-7.

世話人 尾形 広行

世話人 辻本 聡

世話人 川越 友美子